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ファーストリフォーム新聞
西日本地区版
発刊 株式会社岩永金物店ファーストリフォーム事業部−1月特別号−
平成19年1月15日発刊
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新年明けましておめでとうございます。旧年中は、皆様方に大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。本誌をかりましてご挨拶申し上げます。
さて、新年といえば『新年会』がいろいろなところで開催されますが よくそういう場で行われる『手締め』についての豆知識を書いてみたいと思います。
『手締め』とは
手締めは、本来は手打ちと言ったのですが、手打ちが手討ちに通じるということで江戸時代に手締めに名前を変えたという経緯があり、手打ちそのものは古事記にまで遡れます。
祭りは集団行事。何かと決まり事も多いし、あいさつも多い。そこで使われるのが、「手打ち(手締め)」です。協議がまとまると、「異議ありません。」と手を入れます。後日、異議は唱えないという、暗黙の約束があります。大変重い意味を持った大事な手順です。会合など集まりの締めなど、また、もめごとがあった場合でも両成敗となり、手一本を入れ、あと文句を言わない そして、手打ちをしたのは双方の争いが収まったり、約束が成立したときであり、それを神様に証人になってもらうために神社で行う、拍手の一種だったのです。
だから、神事においては一本締めが正しいのですが、三社祭りは3回、つまり三本締めを行います。
浅草神社様が土師中知、檜前浜成、檜前竹成の3つの神様を祭っているために3回なのです。
今に残る三本締めは、これが途中で転じて、相手と自分と神様の分で三本締めという形に変わったためで、それで全国に普及したという説と、
三本の意味は
「行事始まりで一本」
「一通り行事が終了したトコで一本」
「打ち上げの最後に一本」
という説があります。
また、歌舞伎の世界では
「お客様に一本」
「舞台関係者に一本」
「劇場経営者に一本」
という意味での三本締めになるそうです。
正しい手締めのやり方
私たちの生活の中でも、いろいろな場面で行われる「手締め」。
江戸っ子の手締めの作法をご紹介します。もし、他の地区で違う作法をご存じの方がいらっしゃればご教授をお願いいたします。
手締めの「意味」
手締めには、座をまとめるという意味があります。
これは座の「けじめ」でもあり、これがないと「締まりがない」、つまり、だらけた感じになってしまいます。
手締めの前のかけ声
手締めの前に、「いよぉーっ」というかけ声を掛けます。
これは、「祝おう」が転じたものであるとされており、手締めには欠かせません。
また、声を掛けることで、全員のタイミングを取る役割も果たします。
一本締め
江戸前の代表的な締め方です。
一本締めというと、「いよぉーっ、ぱん!」と一回手を打って締める光景がよく見られますが、これは正しくは
『一丁締め』といいます。
江戸前の一本締めは、「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん」と、三・三・三・一と手を打つのが正しいやり方です。
三回の拍手を三回繰り返すと九回。「九」という字に一つ点を打つと「丸」という字になります。最後の1回の拍手は、この「九」に点を打って丸くおさめましょう、という意味があるそうです。
お祭りに行くと、よく神輿を上げたりおろしたりするときに一本締めをします。
なにかしらの会合や宴会の締めでも、一本締めはよく行われます。
ぜひ、正しい一本締めのやり方を周りの人に教えてあげましょう。(くれぐれも、一丁締めと間違えないように!)
三本締め
一本締めを三回繰り返すのが、三本締めです。
「鳶頭政五郎覚書 とんびの独言」に、三本締めの音頭の取り方についていい説明が載っていますので、引用させていただきます。
『本日の当事者に一本、本日ご来場のお客様に一本、それからここの席亭に一本』 と、こじつけの注釈をつけて、「それではご一同様、お手を拝借」 ということになると、参加者全員が納得してくれます、とのことです。
一丁締め
一本締めと混同することの多い締め方ですが、これが「いよぉーっ、ぱん」と一度だけ手を打つやり方です。
このやり方で行きたい時は、ちゃんと、「それでは一丁締めでお願いします」と音頭を取る必要がありますが、「一丁締め」と言ってもまず参加者に説明しないといけませんね。
「一本締め」と「一丁締め」の違いを、普段から周りの人に教えておくと、本番の時に滞りなく手締めができます。
一つ目上がり
最初は人差し指だけ、次は人差し指と中指というように、指を1つずつ増やしていく締め方です。
手の打ち方は、一本締めと同じです。これを五回繰り返すことになります。つまり、
一回目 人差し指
二回目 人差し指・中指
三回目 人差し指・中指・薬指
四回目 人差し指・中指・ 薬指・ 小指
五回目 人差し指・中指・ 薬指・ 小指・親指
で、「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん」と手を打つわけです。
少しずつ音が大きくなっていくところが面白いところです。
吉原締め
一本締めの後に、加えて七回手を打ちます。
つまり、手の打ち方は、「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん、
ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん」となります。
これも、普段はなかなかお目にかからない、珍しい締め方の一つです。
大阪締め
「打〜ちましょ! パンパン! も一ツせ! パンパン!
いおう(祝う)て三度! パンパン!おめでとうございますぅ〜!(拍手)」とするそうです。
博多手一本
宴席などでは、博多祝い唄のあと、手一本を入れる。福岡証券取引所でも、大初会・大納会で用いています。関東の『三本締め』よりゆったりしてるそうです。
足を軽く開き、手を肩幅以上広げず、
「よー シャン シャン
まひとつしょ シャン シャン
祝うて三度 シャシャン シャン(よーと三度) 」
手締めの音頭
手締めの音頭は、その集まりなり行事の実行の中心となった責任者が取ります。
つまり、「本日も無事おさまりました」と、協力者へ感謝とお礼の気持ちを込めて行うのが、本来の姿です。
だから、「最後の締めを、来賓の○○様にお願いいたします」というのは、手締めの意味からはずれてしまうわけです。
ちょっと長くなりましたが以上『手締め』についての豆知識でした。
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平成19年1月15日発刊第9号